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「家づくり」だけは「高い買い物」でもいいですか? 家を建てる、家を買う、ということは大きなプロジェクトですが、「買い物」にかわりはありません。お金を払って手に入れる、つまり「買い物」ということで見れば、生活していく上で購入する様々なものとかわらない、ということです。 日本の流通システムはわかりにくいと、よく海外から批判を受けますが、多くの人が家については高い買い物をしてしまうのも、そんなわかりにくさにあるのかもしれません。 たとえば分譲住宅の販売価格はどのようにして組み立てられているのでしょう。まず分譲業者は土地を仕入れます。それには土地の代金の他、売買にかかわる仲介手数料と税金がかかります。その土地を造成して住宅用地として整備すれば造成工事費がかかります。そして設計費や建築工事費や外構工事費。売るためにはいろいろな宣伝をしたり案内をしたりしますので、販売経費。土地や建物を売れば譲渡税などの税金がかかりますので、そういった公租公課も販売価格にのっています。また、土地の購入費や工事費を銀行融資などで手当てした場合、売却にいたるまでの利子も販売価格に見込みます。そして分譲業者の利益です。だいたい、これらを合算して販売価格が組み立てられています。 分譲マンションの販売価格も、だいたい同様にして組み立てられています。モデルルームなどの建築費や維持費も、もちろん販売経費ですね。ただ、分譲マンションの場合、実はこれだけでは終わらないことがよくあります。新聞の折り込みチラシを眺めて見て下さい。「売主」の他に「販売代理」とか「提携」とかありませんか。これは、「売主」の販売力や販売ノウハウが不足しているので、販売を他社に委託したということです。また場合によっては、「売主」があまり知られていない会社のときに、ブランドを付加するために販売を他の有名企業に委託することもあります。もちろんここにもそれぞれ利益がのります。また、「売主」が名の知れた会社であったとしても、実は他の会社が建てたマンションを丸ごと買い上げて、分譲しているということもあります。さらに、読みにくいとは思いますが、細かい字で書いてある、物件の概要を眺めて見てください。「施工」という項目と並んで「総合請負」というような項目がある場合があります。これは、言うなれば丸投げを意味しています。また少々価格が上がります。 分譲住宅や分譲マンションをこのように分解してみますと、土地の価格や建築工事費や外構工事費が、販売価格の一部分でしかないことを実感なさるでしょう。販売価格は「相場」というものがありますから、当然工事費で調整するわけです。販売価格に対して実際の土地価格やそれぞれの工事費を知ったら、驚かれるかもしれません。 ところで、この「相場」というものが、実は、向き合う人によって変わるのです。業者が土地を仕入れるときの相場と売るときの相場。「造成をし、宅地として整備をすることで土地の価値が上がる」という論理のもとで、そこで土地を購入し住宅などの建物を建てようという方々(エンドユーザーというのですが)に対する相場があるとされています。そうは言ってみても、エンドユーザーに対する相場は高すぎます。エンドユーザーはそんな相場ばかり見せられているので、「そんなもんかなあ」と思ってしまうのでしょうね。時間と努力が必要ですが、「業者」の目を持って土地を探すと、例えば、多摩ニュータウンのあたりの土地と同じような「相場」の土地が、東京23区内の便利な場所で見つかったりするのです。 工事費の相場も同じ様なことになっています。建売業者が施工会社に発注するときの相場と、一般の方がご自分の家を建てるために施工会社に発注するときの相場は、驚くほど違います。いろいろ夢や希望を言っているうちに平気で2倍程度にはなってしまいます。建売住宅の仕様程度が低い、という事もありますが、施工会社に言わしめると「建売住宅は仕様が決まっていたり、安く仕入れられるものを使うことが出来るが、注文住宅は施主(建主)の希望で仕様や品物を決めるので高くなる。」と言うことになります。それもあるでしょうが、それだけではないでしょう。それが、一般の方々(エンドユーザー)に対する「相場」なのでしょう。工事費が高くなっても、仕様や仕上げにこだわりたい、という方にとっても、基準となる「相場」が高すぎるのは納得できませんよね。 ところで、ハウジングメーカーもここで言う施工会社です。 さて、それではハウジングメーカーに戸建住宅を発注したらどうでしょう。実はハウジングメーカーは商社でもあるのです。設計から施工、什器備品までを一貫して販売するわけです。常に広告・宣伝をし、住宅展示場でモデルハウスを維持し、多くのスタッフが販売促進活動に従事している。大きな販売経費がかかっているのですから、当然それらは建築工事費の中に含まれる。設計に関する費用もしっかり含まれています。そして利益です。しかし見積書は、一般的に受け入れられやすいようにアレンジされていることが通常です。たとえばテレビの値段が、開発費がいくらで部品代がいくらで組み立て加工費がいくらで販売経費や利益がいくら、と表示されないのと同じようなことです。でも、一品受注生産である建築工事の見積もりには、本当はこういう表示がされなければいけないのです。そうしないと本当のところ品質がわからない。 そして問題がもう一つ。設計費は見積にどのように表示されていようがしっかり含まれているのですが、建築主の側に立って、価格から工事内容にいたるまでを検証してくれる役目の人がいない。分譲住宅の場合などは、設計はほとんどの場合、確認申請という法的手続きを行う程度の業務しかしません。こんなわけでいろいろなトラブルが発生して、そして「住宅の品質確保の促進等に関する法律」というものが現れました。実はこの法律、結果として住宅産業の保護法の役目も果たしているのです。本末転倒。まあ、お上のやることですから。
たとえば土地から探してみる。 分譲住宅を探している方、もう一度考えてみませんか。分譲住宅には「建売」と「売建」があります。 「建売」というのは完成している建物を土地ごと購入することです。 「売建」というのは「建築条件」のついている土地を購入し、「建築条件」に沿って、指定された業者に建築を発注することです。 分譲住宅を購入することは「上手な買い物」とは決して言えません。分譲住宅の価格は、この場所でこういうプランや規模のものなら幾らで売れる、ということから決められています。だから、本当にその土地の価値や建物の価値を反映しているとは、言えないのです。 もし、時間的に余裕があって、じっくり構えて納得のいく家造りをチャレンジする気力があるのなら、土地探しからしてみませんか。希望や予算を整理して、自分の手で納得のいく計画を組み立てていく。 これは大きな努力を必要としますが、きっとそれに見合った成果が得られます。私たちがご協力いたします。 |